業務上横領

 1 業務上横領で逮捕されやすいケース

大企業や官公庁の場合は、コンプライアンス上、職員の不祥事には厳正に対処することが求められますので、被害届を提出され、逮捕される可能性が十分にあります。

中小企業の場合は、経営者の意思によるところが大きいですが、本人が逮捕されても、被害金額を回収できるわけではないことから、交渉次第で刑事事件になることを回避できる場合が多いです。刑事事件にならなければ逮捕されることはありません。

業務上横領で逮捕・勾留された場合、他の犯罪に比べ、取調べの回数が格段に多くなります。余罪も含め逮捕後ほぼ毎日、長時間の取調べが行われることも少なくありません。行き過ぎた取調べがないよう弁護士が目を光らせる必要があります。

 2 自白・刑事事件の弁護方針

示談をする

横領事件においては、性犯罪等と異なり、被害者側に示談交渉そのものを拒否されることはまずありません。示談金については被害金額をベースとして交渉することになるでしょう。業務上横領のケースでは、会社としても横領の事実が公になることは避けたいとの判断から、示談が成立すれば警察に被害の申告がなされず、そもそも刑事事件とならない場合も少なくありません。

示談交渉に入る前に逮捕されてしまったとしても、その後に示談が成立すれば、被害金額が多額であるとか前科がある等の不利な事情がない限り、不起訴となる可能性が高まります。検察官は起訴するか否かの判断するにあたり、示談の成否を非常に重視しているからです。

2 環境を改善する

横領した金銭で多額のブランド品を購入したり、ギャンブルに興じるなど生活の乱れが事件の背景にある場合は、抜本的な生活環境の改善が必要となってくるでしょう。買物依存やギャンブル依存がある場合はカウンセリングを受けていただきます。借金問題が事件の原因になっている場合は、弁護士が別途委任を受けて債務整理を行います。いずれにせよ生活環境を立て直すためにはご家族の協力が不可欠です。ご家族には日常生活の中で本人を監督してもらいます。