検察段階

 1 出頭要請の連絡

検察官から手紙か電話で出頭要請の連絡がきます。手紙の場合は、通常、普通郵便で自宅に届きます。電話がかかってくる場合は、検察官ではなく、検察事務官(検察官の秘書)からかかってくることが多いです。

手紙が届く場合は、呼出状に出頭日時が印字されています。電話がかかってくる場合は、その電話で出頭日時を指定されます。

 2 取調べの内容

検察官は、警察で作成された供述調書を読んだ上で取調べに臨んでいます。検察官から質問される内容は警察で聞かれたこととほぼ同じです。事件に至る経緯、動機、行為の内容、事件後の状況などを聞かれます。隠し玉的に全く新しいことをいきなり聞かれることはまずありません。最後に調書を作成します。

取調べへの対応方法としては、以下が基本となります。

❶ 自白事件 記憶の通り正直に述べる
❷ 否認事件 黙秘する

 3 検察官の発言

「不起訴の方向で検討します」

検察官の口からこのような言葉が出たときは、不起訴処分になる可能性が高いです。

「〇月末までに私から連絡がなければ不起訴と思ってもらって構いません」

このような発言があったときも不起訴処分になる可能性が高いです。

「略式裁判(略式手続)について説明します」

検察官からこのような発言があった場合は、略式裁判で罰金になる可能性が高いです。

略式裁判では、通常の裁判と異なり、本人は法廷で自己の言い分を述べることはできません。この点は、本人にとってのデメリットといえます。

そのため、検察官は、勝手に本人を略式裁判にかけることはできません。略式裁判にかけるためには、検察官が手続について本人に説明し、本人が書面で同意している必要があります。

したがって、検察官から「略式裁判(略式手続)について説明します」と言われ、その後に同意書にサインしたときは、罰金になる可能性が高いといえます。

「弁護士をつけて被害者と示談することを検討してください」

検察官からこのような発言があった場合は、被害者が示談すること拒否していないと考えられます。

検察官は、通常、被疑者の取り調べを実施する前に、被害者から事情を聴いていることが多いです。その際、検察官は、被害者の心情や示談に対するスタンスを確認しています。

もし、被害者が示談交渉に対して前向きな姿勢をお持ちであれば、検察官としても、そのような被害者の意思を尊重して、加害者側にも示談の意向があるかどうかを確認します。

ただ、性犯罪や暴力犯罪のケースでは、ほとんどの被害者は個人情報を加害者に開示することを望みません。そのため、示談交渉をするためには、加害者が弁護士を選任する必要があります。そこで、検察官が被疑者に弁護士の選任を促すことになります。

「また呼びます」

痴漢、盗撮、暴行などの比較的軽微な事件であれば、自白している場合は、取調べは通常1回で終了します。

これに対して、否認や黙秘をしているときは、検察官の取調べも1回では終わらないのが通常です。最後まで否認や黙秘を貫けば、嫌疑不十分で不起訴になるか公判請求されるかのどちらかになる可能性が高いです。略式裁判になる可能性は低いです。