不同意性交等罪

 1 法改正について

仙台の弁護士による刑事・少年事件相談 – 仙台駅徒歩3分の法律事務所 不同意性交等罪 法改正について

令和5年6月の刑法改正により従来の強制性交等罪が不同意性交等罪と改正されました。

不同意性交等罪の「性交等」の内容

  • 性交(姦淫)
  • 肛門性交
  • 口腔性交
  • 膣・肛門に陰茎以外の身体の一部や物を挿入する行為であってわいせつなもの

どのような場合に不同意性交が成立するか

  • (1) 女性が止めてくださいと言えない状況での性交
    • 暴行又は脅迫を用いて性交(従来の強制性交)
    • 知的障害を利用して性交
    • アルコール若しくは薬物の摂取を利用して性交
    • 睡眠その他の意識が明瞭でない状態を利用して性交
    • 同意しない意思を形成し表明し又は全うするいとまがない状況で性交
    • 予想と異なる事態に直面させて恐怖させて性交
    • 経済的または社会的関係上の地位に基づく影響力によって受ける不利益を憂慮させて性交
  • (2) 相手女性が勘違いしている状況で性交

    2人きりで性交すると思っている女性にアイマスクを装着させ、友人の男性に性交させた。

  • (3) 16歳未満の者との性交

    相手が13歳未満である場合は不同意性交等罪が成立する。
    相手が13歳以上16歳未満である場合、5歳以上年上の者が性交等をすると、相手の同意があっても不同意性交等罪になる。

 2 強姦の際に怪我をさせた場合

不同意性交等の際、被害者にけがをさせると強姦致傷罪・強制性交等致傷罪が成立します。意識的に暴行してけがをさせるというのが典型的なケースですが、本人が暴行したつもりは全くないのに強姦致傷・強制性交等致傷で立件されることがあります。それが膣壁裂傷や肛門裂傷の場合です。男性器を膣や肛門に挿入した際、摩擦で裂傷が生じることがあります。その場合、被害者が警察に医師の診断書を提出すると強姦致傷・強制性交等致傷として立件されます。

強姦致傷・強制性交等致傷で起訴された場合は、裁判員裁判で審理されることになります。裁判員裁判では、性犯罪は重く処罰される傾向があり、強姦致傷・強制性交等致傷罪の場合、初犯の方でも長期の実刑となることが多いでしょう。ただ、裂傷の程度が全治数日など軽い場合は、起訴前に示談が成立すれば、不起訴となる余地も十分にあるでしょう。容疑を認める場合は一刻も早く示談に向けて動いた方がよいでしょう。

 3 余罪

逮捕された不同意性交等とは別に、強姦等の余罪があると、再逮捕されたり追起訴(ある事件で起訴された後に別の事件で起訴されること)される可能性があります。余罪の現場に遺留されたDNAと被疑者のDNAが一致すれば、余罪で再逮捕される可能性が極めて高くなります。

DNAが遺留されていない場合は、余罪取調べにどのように対応するかが非常に重要になります。適切に対応しなければ、1件目の強姦(強制性交等)で示談が成立して釈放された当日に、別件で再逮捕されることにもなりかねません。逮捕直後から、弁護士が余罪を含め総合的な弁護方針をたてるべきです。

 4 自白・刑事事件の場合の方針

示談をする

起訴前の弁護活動としては示談が最も重要です。刑法改正により、強姦にせよ強制性交等にせよ、起訴にあたって告訴が不要とされました。そのため、改正法施行前のように示談をして告訴を取り下げてもらえれば必ず不起訴になるわけではありません。

もっとも、強制性交等罪で告訴が不要とされたことに伴い、起訴を望まない被害者の意思が軽視されるのではないかとの懸念も根強く、検察官はこれまで以上に、被害者が起訴を求めているか否かを丁寧に確認すると思われます。そのため、示談書に「処罰をもとめない」、「起訴を求めない」等の文言があり被害者がその意味を十分に理解した上で示談に応じた場合は、性犯罪の前科がある等の事情がない限り、不起訴になる余地は十分にあるといえるでしょう。強姦の被害者は、事件によって非常に大きなショックを受けています。弁護士には、交渉全般を通じて、被害者の心情に細やかに配慮する姿勢が強く求められます。

法律上、検察官は逮捕の約3週間後に、被疑者を起訴するか釈放するかを決めなくてはなりません。したがって、不起訴を獲得するためには、3週間以内に示談をまとめることが必要です。時間切れにならないよう、土日や夜間でも精力的に動いてくれる弁護士に依頼すべきです。

2 被害者と関わらない

被害者は、「警察に被害を申告したことを逆恨みされるのではないか?」と強い恐怖感を抱いています。被害者の恐怖感をできるだけ軽減するため、加害者としては、今後、被害者と一切接触しないようにすべきです。弁護士を通じてその点を強調するとともに、示談書の中に、「加害者は今後一切、被害者に接触しない」等と明記し、可能な限り被害者の不安を軽減します。

3 転居費用を負担する

住居に侵入したり、被害者の自宅近くで不同意性交等を行った場合、被害者は加害者に対して強い恐怖感を持っています。事件をきっかけとして被害者が転居を希望する場合は、可能であれば転居費用を負担することも検討する必要があるでしょう。

 5 否認・刑事事件の場合

1 身に覚えがない場合

全く身に覚えがないにもかかわらず、強姦の容疑をかけられてしまった場合、アリバイ事実が存在することを弁護士が検察官・裁判官に主張し、不起訴処分あるいは無罪判決の獲得を目指します。捜査機関によってDNA鑑定、血液鑑定が実施されている場合は、改めて専門家に鑑定を依頼したり、裁判所に対して鑑定を実施するよう請求します。

2 性行為について相手の同意があった場合

相手の同意があったにもかかわらず、強姦の容疑をかけられてしまった場合、本人と相手の関係、当日出会うまでの状況、出会ってから性行為までのやりとり、性行為後の相手の言動等から、和姦であることを主張します。